あなたは普段、どんな言葉を使っていますか?
家族や友人にかける言葉。
仕事で使う言葉。
そして、自分自身にかける言葉。
私たちは毎日、数え切れないほどの言葉を使っています。
その一つひとつを、どれほど意識しているでしょうか。
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言霊
日本には古くから、言葉には霊的な力が宿り、口にした言葉が現実に影響を与えるという「言霊(ことだま)」の考え方があります。
『万葉集』にも言霊という考え方が見られ、日本は「言霊の幸ふ国(ことだまのさきわうくに)」と表現されました。
古くから日本人は、言葉に特別な力を感じていたのです。
現代では、言葉が人の気持ちや行動に影響を与えるという意味でも使われています。
「どうせ無理だ」
「自分にはできない」
そう口にすれば、挑戦する前から諦めてしまうかもしれません。
反対に、
「やってみよう」
「きっとうまくいく」
そう口にすれば、一歩踏み出すきっかけになるかもしれません。
言葉が変われば、物事の捉え方が変わる。
そして、捉え方が変われば、行動も変わっていくのです。
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セルフトーク
私たちには、外に向けて発する言葉だけでなく、心の中で自分自身にかける言葉もあります。
こうした内なる言葉を「セルフトーク」といいます。
ある研究や解説では、人は1日に約6万回も内なる言葉を交わすといわれています。
この数字には諸説ありますが、私たちが日々、膨大な数の考えを心の中で繰り返していることは確かです。
また、他人に向けて発した言葉も、自分自身の耳で聞いています。つまり、他人にかける言葉も、自分の思考や感情に影響を与えることがあるのです。
自分の言葉を一番聞いているのは、自分自身なのかもしれません。
「どうせ無理だ」
「自分にはできない」
「何をやってもうまくいかない」
こうした言葉を繰り返していれば、挑戦する前から諦め、自分の可能性を狭めてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、普段から自分がどんな言葉を使っているのか、意識を向けてみることが大切です。
失敗したとき、自分に何と言っているだろう。
何かに挑戦するとき、できない理由ばかり探していないだろうか。
まずは、自分の内なる言葉に気づくこと。
そして、自分を否定する言葉を、少しずつ別の言葉に変えていくこと。
それが、自分自身との向き合い方を変える第一歩になるはずです。
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リフレーミング
物事には、さまざまな見方があります。
同じ性質でも、捉え方を変えれば、短所が長所になることがあります。
例えば、落ち着きがない人は、活発で行動力がある人ともいえます。
内気な人は、慎重で思慮深い人ともいえます。
飽きっぽい人は、好奇心旺盛で、新しいことに興味を持てる人ともいえます。
このように、物事を別の枠組みから捉え直すことを「リフレーミング」といいます。
もちろん、すべての短所を無理やり長所に変える必要はありません。
大切なのは、一つの見方だけで自分を決めつけないことです。
「失敗してしまった」と考えるのか。
それとも、「一つの経験を得ることができた」「ダメな方法を一つ見つけた」と考えるのか。
起きた出来事そのものは変わらなくても、その意味づけは変えられます。
自分を否定する前に、別の見方ができないか考えてみる。
それだけでも、自分自身への言葉は少しずつ変わっていくはずです。
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アファーメーション
自分自身に肯定的な言葉をかけることを「アファーメーション」といいます。
例えば、
「私は一歩ずつ成長している」
「私は失敗から学ぶことができる」
「私は今日できることに取り組む」
「私は自分自身を大切にする」
このような言葉を、自分自身に意識してかけてみるのです。
大切なのは、肯定的な言葉を繰り返せば、すべてが思いどおりになると考えることではありません。
自分が大切にしたい価値観や、目指したい姿を言葉にし、その言葉に沿った行動を積み重ねていくことです。
例えば、何かに挑戦する前に「私にはできない」と考えるのではなく、
「私にはできる。では、どうしたらいい?」
と自分に問いかけてみる。
ここで大切なのは、ただできると信じ込むことではありません。
できるようになるための方法を考え、実際の行動につなげることです。
「できない理由」を探すことから、「できるようになる方法」を探すことへ。
問いかける言葉が変われば、考える方向も変わっていくかもしれません。
言葉は、行動の代わりにはなりません。
しかし、行動を始めるきっかけにはなります。
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「でも」を使わない
私たちは、日常の中で何気なく「でも」という言葉を使っています。
「やってみたい。でも、時間がない」
「挑戦したい。でも、自分には無理だ」
「変わりたい。でも、今さら遅い」
もちろん、時間がないことも、難しいことも、事実かもしれません。
しかし、「でも」の後にできない理由ばかりを並べていると、自分の行動にブレーキをかけてしまうことがあります。
誰にとっても1日は24時間です。
勝者は、その時間をよりうまく使う方法を見つける。
だから勝つ。
敗者は、時間が足りないことを言い訳にする。
だから負ける。
そこで、一度「でも」という言葉を使わずに考えてみます。
「やってみたい。では、どうすれば時間を作れるだろう」
「挑戦したい。では、何から始めればいいだろう」
「変わりたい。では、今日できることは何だろう」
状況そのものが変わらなくても、問いかけ方を変えることはできます。
できない理由を探すのではなく、できる方法を探してみる。
それだけで、目の前の問題に対する向き合い方は変わってくるはずです。
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無理にポジティブにならなくていい
ここまで、言葉によって考え方や行動の方向を変えることについて考えてきました。
しかし、いつも前向きな言葉を選び、明るく振る舞わなければならないわけではありません。
悲しみ、怒り、不安、悔しさ。
そうした感情を抱いたとき、無理に「大丈夫」「幸せだ」「楽しい」と言い聞かせると、かえって本当の気持ちを押し込めてしまうことがあります。
言葉にできなかった思いを口にする。
紙に書き出す。
信頼できる人に話す。
泣く。
怒りや悲しみを安全な形で表現する。
こうして感情を表現することで、心の中に溜まっていたものを整理できることがあります。
このような感情の解放を「カタルシス」といいます。
カタルシスは、無理に感情を消すことではありません。
「本当はつらかった」
「悔しかった」
「怖かった」
「もう頑張れない」
そうした気持ちを、まずはそのまま認め、言葉にして外へ出すことです。
「今日は疲れている。だから、少し休もう」
「今は不安だ。無理に答えを出さなくてもいい」
「本当は悔しかった。そう感じるのは自然なことだ」
このように、感情を否定せずに言葉にすることで、自分の内側にあるものを整理しやすくなります。
大切なのは、ネガティブな感情を抱え続けることでも、すぐにポジティブへ変換することでもありません。
まず感じる。
そして、表現する。
そのうえで、少しずつ次の行動を選んでいく。
感情を吐き出したあとに、「では、今の自分にできることは何だろう」と考えればいいのです。
自分を大切にするということは、いつも自分を励ますことだけではありません。
ときには、泣き、怒り、悲しみ、心の中に溜め込んでいたものを外へ出すことも必要です。
無理にポジティブにならなくていい。
まずは、今の自分の感情に、正直な言葉を与えてあげる。
それが、次の一歩を踏み出すための、静かな準備になるのです。
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人の悪口を言わない
私は、人の悪口を言わないことも大切にしたいと思います。
誰かに対して不満を感じることはあります。
腹が立つこともあれば、理解できないと感じることもあります。
そうした感情を持つこと自体は、決して悪いことではありません。
ただ、いつも誰かへの否定的な言葉に変えてしまうと、自分自身の心まで、その見方に引っ張られてしまうことがあります。
他人の欠点ばかりを探していれば、欠点に目が向きやすくなるかもしれません。
反対に、相手の良いところを見つけようとすれば、今まで気づかなかった一面が見えてくるかもしれません。
だからこそ、誰かを否定する言葉を口にする前に、一度立ち止まってみる。
その言葉は、本当に必要だろうか。
別の伝え方はできないだろうか。
相手を傷つけずに、自分の気持ちを伝えることはできないだろうか。
そんな問いを持つことも、大切なのだと思います。
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言の葉の魔法
私たちは、日々たくさんの言の葉を紡いでいます。
誰かを励ます言葉。
誰かを傷つける言葉。
そして、自分自身を支える言葉。
その一つひとつが、誰かの心に届き、ときには自分自身の心にも影響を与えています。
だからこそ、まずは自分の言葉に意識を向けてみる。
自分を否定する言葉に気づいたら、少しだけ表現を変えてみる。
できなかったことだけでなく、できたことにも目を向けてみる。
できない理由を探すのではなく、できる方法を考えてみる。
そして、自分にも他人にも、できるだけ温かい言葉を使ってみる。
すぐに何かが大きく変わるわけではないかもしれません。
それでも、日々使う言葉が変われば、物事の捉え方や行動も少しずつ変わっていくはずです。
いつも誰かにかける言葉を選ぶように、自分自身にかける言葉も選んでみる。
今日、あなたは自分自身に、どんな言葉をかけますか?
身体と心に本来備わっている「健康に生きる力」を、もう一度、言葉によって蘇らせていきましょう。
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